医学部保健学科看護学専攻

今回は、東北大学医学部保健学科看護学専攻について、在学生の目線から、お伝えします!!

 取材協力:ひとちゃん〈医学部保健学科看護学専攻4年(2019年度現在)〉


1.医学部保健学科看護学専攻について

 主に看護師を目指す専攻です。
 他に、助産師を目指すコースもあり、大学院に進学すれば保健師の資格取得を目指すことも可能です。看護研究者を目指す人もいます。

 大学では、看護に関する技術的なことに加え、「看護とは何か」や、倫理的なことなどについてたくさん学ぶことができます。4年次(現在のカリキュラムでは3年次から)では、研究に取り組む時間もあるため、視野が広がるのではないかなと思います。

 また、専門の科目の他に、全学教育(一般教養のことを、東北大ではこう呼ぶ)があり、英語を学んだり、興味のある科目について履修したりすることができます。外国人の方の看護をする場合には英語が必要であるなど、全学教育での講義も、看護師を目指す上で役立つのではないかなと思います。

このように、いろいろな視点から看護について学ぶことができる大学(専攻)です。

2.1年から4年までの学習の流れ

*用語解説
 ・〇セメスター:高校までの「〇学期」と似たような意味です。
   例)1セメスター…1年生の前期(4月~8月上旬頃)、
     2セメスター…1年生の後期(10月~2月上旬頃)、
     3セメスター…2年生の前期、・・・
    *各セメスターの具体的な日数・月数は目安です。
     学部学科や学年の授業・試験の関係で多少前後します。

【1年】
 専門の科目もありますが、ほとんど川内北キャンパスでの全学教育の講義がメインです。
 *ちなみに、医学部の専門科目の講義は、星陵キャンパスで行われます。
  (川内北キャンパスで行われる科目もあります。)

【2年】
 専門の講義がメインになってきます。

 3セメスター(4月~8月上旬頃まで)は授業がほとんどなく、時間があるので、自動車学校へ免許を取りに通っていた人も多かったです。
 4セメスターは、専門科目中心に授業があります。

【3年】
 5セメスターも、4セメスター同様授業があります。9月半ば頃から実習(病院での臨地実習)があり、12月ごろに一旦終了します。
 実習は大学病院で行いますが、病院以外の施設に訪問することもあります。

 1月から研究室決めがあり、研究室配属されました。
*2018年度の2年生から、研究室配属が2年生の1月になりました。
 1月~4年の4月までは、研究室での活動となります。論文を読んだり、研究の仕方について学んだりします。頻度は研究室によります。(例えば、私の所属している研究室では、春休み(2,3月頃)中は、週1回程度で、2,3週間ほど休みの期間もありました。

 また、インターンやボランティア活動に参加したり留学したりことで単位が認定される、看護総合学実習というものがあり、この3年生の春休みの時期にいろいろと行う人が多いです。私は、石巻などで、震災系のボランティア活動に参加しました。

【4年】
 引き続き、4月までは研究室での活動となります。
 5月のゴールデンウィーク明けから、7月の終わりまで再び病院での実習があります。
 実習終了後頃から、自分のテーマを設定し、それに関して研究していきます。

 8セメスター(10月~)は、研究と平行して講義(倫理、救急など)があります。1月半ば頃に、卒業研究の発表会があります。
 発表会後も、引き続き研究を続ける人もいます。自分で研究した内容を英語で発表したいということで、大学院に進学する人もいるそうです。
(このように大学卒業後すぐに大学院に進学する人は稀で、臨床の現場に出て、そこで課題を見つけて、大学院進学するという人が多いそうです。)


 ↑サークル(救命救急サークルRet`s)での活動の様子

3.印象に残っている授業は?

 ①保健師の活動に関する実習

  3年生の9月頃に2日間程度、七ヶ浜町の精神的・身体的に障害のある方が
 通っているホームで、作業を一緒にするなどの活動を行いました。

  隣で作業されていた方にお話を聞いたところ、保健師の方が来てくれ、健
 康診断の結果から血圧が高いから塩分を控えるように指導されたから、おで
 んのつゆを飲まないようにしているんだとおっしゃられていました。

  看護師は病気になった人を助ける職業ですが、保健師は病気になる手前で
 介入できるのが魅力的で、保健師からの助言を受け入れ、守ってくれている
 人がいるんだということが分かり、モチベーションにつながりました。

  ②病院実習(特に小児科での実習)

  3年生のとき、3週間ほど、小児外科で実習を行いました。先天性疾患の
 子と関わる機会があったのですが、成長が遅く会話やコミュニケーション
 がうまくとれませんでした。また、手術を控えていることもあり不安があ
 るのか、母親にだっこしてもらわないと泣いているような状況で、学生が
  行くと泣いてしまいました。

  患者さんとコミュニケーションがうまくとれない上、実習の記録・レポー
 トにも追われており大変でした。実習最終日にもっと関わろうと思い、いっ
 ぱい遊びに行ったところ、最終的に泣かなくなりました。言葉が通じなくて
 も、遊びで関わることが子供に対しては大切だと感じました。

  授業では全身麻酔のリスクは習うけれど、実際の現場で遭遇したとき、短
 時間でかんがえなければならないことを考えると、大変だとおもいました。

  また、最初にあった幼稚園での実習も楽しかったです。

  実習は大学病院で行いますが、病院以外の施設に訪問することもあります。

4.卒業後の進路は?

  一番多いのは、看護師として、病院などへの就職です。
  3,4月からインターンシップを始め(早い人は2月ごろから)、6,7月に
 は就職先が決まる人もいるようです。

  他に、助産師としての就職を目指す人もいます。
  助産師を志望する人は、3年生の夏頃に選抜試験を受け、それに合格した人
 のみが、助産師の養成コースに入ることができます。この試験は、3年の夏ま
 でにある助産師に関する講義の試験やはもちろんですが、今までの成績が評
 価に含まれることがあるため、助産師を目指している方はしっかり勉強した
 方がいいです。

(就職のために必須条件なのが、国家試験への合格です。実習が終わる頃からはやっておいた方がいいかもしれません。)

  就職の他に、大学院に進学する人もいます。
  例えば、保健師を目指している人の場合です。保健師養成課程が大学院に
 あるので、大学院進学が必要なのです。大学院の入試は、8月頃あり、小論文
 や面接などが課されます。例年、保健師を目指す人は多いようです。

5.この専攻を目指すにあたり、高校生のときにやっておけばよかったこと・やっておいた方がよいことは?

 ・生物
  (解剖(循環器、脳など)、体の機能についての本を読むのがいいかも)
 ・英語
 (外国人の方を看護する機会もあるし、入試でも使うので、英語で話せる人
  がいいです。)
 ・数学
 →つまり、学校の勉強全般です

 ・看護感を持つために本を読む(ナイチンゲールなど)

 ・いろいろな年代の人と関わる
  (看護師は、いろいろな年代の人と関わる仕事なの
  で、コミュニケーションが非常に大切です。)

 ・ボランティア
  (実際に行かないと分からないことも多いので、
  行ってみるのもいいのかなと思います。)


6.最後に高校生に一言!

最初は、患者さんのケアがうまくできるのか不安でした。

 しかし、先生や指導者の方がアドバイスをしてくださいますし、患者さんに対してはまず「誠実に向き合う」ということが大切になります。
 最初はできなくても、成長することができますよ。
 
 実習は大変ですが、行けば行くほどやりがいを感じられる仕事だと思うので、目指して欲しいなと思います。

・勉強に関して…
  私は、自分で書いたノートを見るのが嫌で、見ずに何回も新しくノートに
 書いていました。
  私の通っていた高校の先生も言っていたのですが、反復することは大切で
 す。反復することでより覚えることができます。私自身、その大切さを今実
 感しています。また、「反復」のように、地道なことをすることは大切だと
 思います。何回も反復して英単語を1つでも多く覚えるなど、高校の勉強も
 何回も反復して欲しいです。

*こちらに掲載した内容は、あくまで大学生の目線からのものです。
大学の講義・実習・進路情報等の詳細につきましては、
 東北大学医学部保健学科看護学専攻のホームページ、
 または、東北大学大学院医学系研究科・医学部のホームページ内「医学部保
 健学科受験生・在学生の方へ」のページ等をご覧ください。


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