5sさん

東北大学 法学部 2年

入試形態:一般前期

出身高校:千葉県立船橋高等学校

Q1: 東北大に進学を決めた理由は何ですか?

 元々他の大学が第一志望だったので、正直センター試験の結果が出るまでは、この大学を受験することは考えていませんでした。ただ、どこの大学に進んだとしても法学部で学びたいとは思っていて、それは純粋に法律に興味があったからです。現代社会は特に「法」と切っても切り離せない関係にあり、これから社会に出て生きていく上で、「法」について無知であってはならないと思っていました。

Q2: 法学部では何を学んでいますか?

 六法を中心に、行政、政治、外交、公共政策など勉強しています。なので一般的にイメージされるような、ずっと法律を読んでいるという感じでもないのです。政治の授業では、ヨーロッパや日本の政治体制の変遷について学んだりしますし、外交の授業は高校世界史の現代史に近い内容ですが、出来事の経緯や背景にまで深く踏み込んで勉強したりします。

 また、法律を勉強すると多角的な視点を身につけることができるなと感じています。ある事象に対して様々な学説が存在していたり、1つの条文に対して複数の解釈の可能性が存在していたりします。法律を勉強していくなかで、色々な視点から物事を捉え直す姿勢が身についたと思います。

Q3: 課外活動やアルバイトはしていますか? また、それらから学んだことはありますか?

 自分はお惣菜屋さんでアルバイトをしています。皆が口々に言うことではありますが、アルバイトは良い社会経験になると思います。販売の仕事ということもあり、全く知らないお客様と接するわけですが、お客様に対して失礼があってはなりません。社会のルールというか、当たり前だけどすごく大事なことを、アルバイトを通じて学びました。礼儀や言葉遣い、人間関係や仕事への向き合い方など、社会に出てからもずっと使っていくようなものを身につけられると思います。

Q4: 大学に入って、学んだ点や成長した点、高校から変わった点はありますか?

 一人暮らしを始めて親元を離れてから、親への感謝の気持ちや、親の偉大さに気づかされました。また、親と連絡を取る機会が増えて、結果的により頻繁にコミュニケーションをとるようになったかなと思います。変わった点としてはそれですかね。

- 親の偉大さとはどういうことですか?

 一人暮らしは家事を全て自分でやらないといけないですよね。洗濯に掃除、また病気になっても自分一人でなんとかしないといけない。バイトで疲れて帰ってきても、勝手にご飯が出てくるわけじゃない。それらを今まで当たり前のように親にやってもらってきた。それはすごいなあと、そういう意味です。

- 話は変わりますが、大学と高校の勉強の違いは何だと思いますか?

 これもよく言われることではありますが、高校生・大学受験生はジェネラリスト、大学生はスペシャリストだと言えると思います。高校生は多くの科目や教科を勉強する必要がありますよね。広く浅く、満遍なく学ばなければなりませんが、大学生は一つの分野に特化して深く深く学んでいくという点で異なると思います。

Q5: 将来の夢は何ですか?

 小さい頃から飛行機や電車がすきなので、それらに関係する職に就きたいとなんとなく思っていました。しかし将来のことはこれまであまり真剣に考えてきてはおらず、これから業界研究をする中で色々な職業に触れ、視野を広げていきたいと思います。

Q6: 高校時代の得意科目・苦手科目、またそれぞれの勉強法について教えてください。

 得意ではなかったのですが、すきな教科は数学でした。自分は一年間浪人していましたが、予備校で勉強する中で、公式の定義や意味を理解することを意識するようになりました。公式を暗記だと思ってはダメだと予備校の先生方から教えていただいたことが大きいです。例えば二次方程式の解の公式のように、公式をみたら証明方法がぱっと頭に浮かぶようにしていました。それを繰り返していくうちに、数学の基本的な考え方や見方が身に付いていったと思います。自分の憶測ではありますが、数学に苦手意識を持っている人ほど、しっかりと意味や本質を理解していなかったり、うろ覚えだったり、そもそも覚えきれていなかったりするのだと思います。公式に限らず、より深くまで理解し、その本質を考えることが重要だと思います。

 英語もすきで、得意な教科でした。英語に関しては、毎日触れることが大事です。多くの日本人にとって英語は母語ではないので、試験直前の詰め込みではなく、毎日少しずつでも英語を読んだり書いたりした方が絶対にできるようになります。担当教員の教えもあって、現役の時からそのような勉強を心がけていました。例えば通学の電車の中で、英単語帳付属のCDをダウンロードしたものやラジオを聴くというのも一つの手です。耳を慣らすことで、リスニング対策にもなります。
 また、色々な英文に触れる、いわゆる多読は、速読の力をつける点でも、文法の理解を深める点でも有効です。標準レベルの文章を大量に読むとよいと思います。具体的にはセンター試験の長文問題が挙げられます。その際に問題を解くだけでなく、文法的な表現をチェックしながら読むと、文法問題や英作文に役立ちます。

- 市販の教材を買ったりはしましたか?

 基本的には学校や予備校で配布された教材を使っていました。もちろん市販の参考書や問題集を買って使ってもよいと思います。その際は、一冊を中途半端にしてあれこれ手を出すのではなく、内容が身につくまで一冊をしっかりとやりこんだほうがいいでしょう。

- その他に得意科目はありましたか?

 すきではなかったですが、社会科(地歴公民)も得意で、世界史と倫理・政経を選択していました。世界史は、教科書を読んで流れは理解できても、単語を覚えることができなかったため、最初に嫌でも単語を暗記して、その上でタテ・ヨコの繋がりを理解していくようにしました。ただしあまり効率の良い方法ではなかったと思います。また予備校時代は、論述対策として、高校の時に使っていた山川の教科書に加えて、山川の『世界史研究』や他社の教科書も併用していました。同じ出来事でも異なる視点から書かれていたり、より深く掘り下げて書かれていたりするので、特にある程度時間を確保できる予備校生には有効な勉強方法だと思います。

- 苦手科目はありましたか?

 苦手科目は国語でした。恥ずかしい話ですが、高校時代はほとんど勉強していませんでした。勉強したくなかったし、そもそも勉強の仕方がわからなかったからです。予備校に入ってから、古文・漢文については助動詞や句形をしっかり勉強するとある程度読めるようになりました。現代文は、授業中に先生の板書をノートにメモして、復習の際にそのノートを見返しながら考え方の道筋をたどり、解答までの流れを理解するように心がけていました。

Q7: 1年間予備校に通っていたということですが、予備校生活を通じて学んだ点や成長した点、辛かったことなど、教えていただけますか?

 予備校生活、人によるとは思いますが、自分はそこまで辛いという感じはありませんでしたし、むしろ楽しいくらいでした。やるべきことが沢山あって忙しかったので、正直辛いと感じている暇はなかったです。強いていうならば、センター試験の1ヶ月前くらいからは緊張で苦しかったですし、センター後も辛かったです。試験の結果が思っていたよりずっと悪く、二次試験へのモチベーションが下がってしまった時期もありました。それでも、勉強する中で自分の知らなかったことを知る瞬間があったり、予備校が通っていた高校に近く、高校の同級生も多く通っていたこともあったりなど、楽しく勉強しながら予備校生活を送っていたと思います。

- 何か学んだ点や成長した点はありますか?

 これは予備校生活を終えてから感じたことなのですが、親や大人が、1年間勉強だけしていればいいといってお金と時間をくれるというのは、とてもありがたいことだと思います。

 また、1つの目標に向かってコツコツ積み重ねていくこと自体も貴重な経験になると思います。大学受験は人生の一大イベントの一つですよね。目標・ゴールから逆算して、今何をすべきか、今の自分には何が足りないのかを考える。そのようにして自分と向き合っていると、自分の弱いところが見えてきます。1つの目標に向かって直向きに努力する中で、弱みも含めて自分をじっくり見つめ直すことは、とても価値のあることだと思います。経済的な余裕があるならば経験した方がよいのでは、と思っているくらいです笑。

Q8: 最後に、高校生に一言お願いします!

 主に大学受験生向けのメッセ-ジですが、レベルが高いからというのももちろん重要ですが、それ以外の理由でも自分が行きたいと思える大学や学部を見つけると良いと思います。自分の第一志望だった大学はキャンパスの雰囲気が良く、大学の周りの街並みも素敵で、ここで勉強したいという思いは勉強のモチベーションになっていました。自分が行きたいと思える大学や学部を定め、目標をはっきりさせれば、勉強にも力が入ると思います。また、たとえその目標が達成できなかったとしても、それに向かって自分で計画を立てて進んでいくという過程自体が有意義な経験になるでしょう。

- 高校生全般に対するメッセージがあれば、お願いします!

 

 実体験として、高校時代の友人で、大学に入った今でも仲の良い友人は何人もいます。進学先がバラバラになったとしても、大学、さらに先までずっと関係が続いていくご友人がいると思うので、是非今ある関係を大切にしてほしいです。
 また、高校生活はあっという間です。勉強だけでなく色々なことを楽しんで、濃い時間を過ごしてもらえればと思います。そういった日々は、きっと一生残る思い出になるはずです。

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