2019年5月11日に私たちbridgeのメンバーと有志の大学生は、学生時代に東京大学学生団体FairWind(http://fairwind-ut.com/)を立ち上げて現在は教育関係の企業に勤められている佐々木敦斗さんと、東北大学のOBであり現在は佐々木さんと同じ企業に勤められている小野拓也さんという地方教育に造詣の深いお二人をゲストに招き、これからの地方教育のあり方や、生徒に合ったキャリアプラン設計をするために教職者がすべきことについて話し合いました。またこれによって、よりよい地方教育を達成するための道標を考え、かつ今後の連携体制を模索し合いました。
自己紹介を兼ねたアイスブレイクとbridgeについての説明の後、お二人の講演を聞き、それを踏まえてディスカッションするWorkShopに移りました。
- 講演1『地方高校生に追い風を吹かせよう』(佐々木さん)
- WS1『高校時代のあの出会いが私を変えた』
講演では佐々木さんにFairWind設立に至った経緯と現在のご職業に関する説明をしていただき、そのあとのWSでは私たちが高校生支援に興味を持った理由を共有し、高校時代に自身の価値観を変えた今につながる経験は何であったかを洗い出しました。この講演からWSまでの活動を通じ、私たちは地方高校生の支援という目的を再確認しました。また、「大学生をもっと身近に感じられる、大学をもっと知られる機会が近くに欲しかった」「生徒の志望を第一に考えて背中を押してくれる進路支援が欲しかった」といった、高校生が潜在的に求めるニーズを高校時代の経験から模索し、考えを共有しました。
- 講演2『新時代型教育の形』
- WS2『“やりたいこと”の見つけ方』
佐々木さんに、新学習指導要領で変わる教育とそこで新たに加えられる「総合的な探究の時間」での探究学習についてお話しいただき、WSでは探求活動の原動力であり進路を決定する手がかりになるはずの“やりたいこと”の見つけ方を考えました。講演では既に探求活動を取り入れている高校の例を紹介していただき、高校生たちの、「地域と関わる活動ができてよかった」「自分で何かを変えることができ、とてもやりがいがあった」という感想や「何を探求すればいいのかわからない」「やりたくない」といったネガティブなイメージまで、幅広い生の声に触れながら、探求活動自体とそれを通じた高校生の成長を知りました。WSでは、ボランティア活動を通じて高校生がやりたいことを見つける手助けする方法を模索しました。
- 講演3『東北地方の教育の課題点と可能性』(小野さん)
- WS3『地方教育の未来を考える』
小野さんから、新しい教育で教職者に求められる力と東北地方の教育の現状とこれからの予想をお話しいただいた後、WSで教育の形の変化に対応するために地方教育とそれを担う教職者はこれからどうあるべきか、どうしていくべきかについて考えを出し合いました。従来の教職者はteachingの能力が必要とされてきたこと、これからは生徒の自由な発想を促し、考えを深める手助けをするcoachingの能力が求められるようになること、そしてteachingの地域格差は映像授業などの発達によって改善されつつある一方で今後はcoachingに地域格差がうまれるという予想を講演していただきました。それを踏まえ、一般的にcoachihgで後れをとっている地方が都市部に追いつくために「teaching同様にcoachingを補うサービスを行う」「教職者がcoaching能力を発達させられるような講習や実習を行う」等の解決案をWSで出し合いました。
- WS4『今の私たちができること』
最後のWSでは、①大学生だからできること、②社会人だからできること、③大学生と社会人が協力してできること、をグループに分かれて話し合い、案を出し合いました。これまでのWSであげた考えを具体的な活動案に落とし込んだり、目標だけ決まっていた考えについて、それを達成するための活動を考えたりしました。
今回、私たちは地方教育の多くの問題点を知り、解決策、活動案を出し合いました。「首都圏に比べて情報面で不利な状況で頑張る高校生を応援したい」という気持ちがますます強くなる企画でした。今後は今回得た情報や活動案を元に、より一層高校生を支援できる活動をしていきます。
文責:若松千裕
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